※各国の首脳や関係者が入り乱れ、握手や挨拶を交わしあっている中で、文大統領から「ちょっと話しましょう」と近くにあったソファに促され、安倍首相が通訳を介して10分程度外交辞令、社交辞令を交わした。
 ただそれだけのことに対し、韓国メディアや朝日新聞などが「安倍首相は非常に友好的かつ真摯な雰囲気。日韓関係軟化の兆しか」などと、相変わらず願望妄想込みの報道を行っているようです。

 安倍首相は「徴用工問題は《解決済み》」と伝えたに過ぎず、“友好的で真摯な”内容の話など何もなかったと茂木外相も会見で答えています。
 
 GSOMIA破棄でアメリカから敵国扱いされ、日本に助けを求めようと必死なのは誰の目にも明らかであるにもかかわらず、いまだにホワイト国が~とお門違いの被害妄想を絡めてくる韓国の意地汚さ、図々しさにはに呆れるばかりです。

 韓国国内でどんなに都合よく歪めた報道をしようと、日本の政策やアメリカのポリシーは覆らないということを自覚し、戦略物資の横流し疑惑など、自国の輸出管理体制についてきちんと調査報告を行わないかぎり、“ホワイト国”(グループA)復帰や日韓の関係改善などはありえません。というか、そもそも輸出管理の問題とGSOMIAは別次元の問題です。 *
 
地政学戦略家 ピーター・ゼイハン
地政学戦略家 ピーター・ゼイハン氏

◆「GSOMIAを維持してこそ韓国は生存」

--韓日関係はどうすべきか。

「歴史の問題は分かるが、冷静に話すべきだ。海洋強国であり米国内のFDI(外国人直接投資)順位を争う日本は韓国を必要としない。しかし韓国は日本が必要だ。韓国が日本に勝てない理由だ。いま韓国は日本中心産業および外交・安保構造から必死に抜け出そうとしているが、意味がない。ギアを早く切り替えるべきだ。日本と手を握らなければ国家の生存が危うくなる」

--韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了期限は今月22日だ。

「韓国は生存のためにGSOMIAを維持しなければいけない。大変な効力があるからではなく、米国なしにも韓日が外交・安保協力ができるという象徴だからだ。過去の米国政府であればGSOMIA破棄直後に仲裁したが、今はそうでない。状況はさらに悪化するだろう」

◆米国の内心「ICBMでなければ関係ない」

--北朝鮮の問題はどうなるのか。

「トランプ大統領の握手外交メッセージは簡潔だ。『(米国本土打撃が可能な)大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけは開発してはいけない』。胸の内はこうだ。『北朝鮮核問題? 私の問題でなく韓国、お前たちの問題だ』」

--北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)も開発中だが。

「簡単には開発できない。費用もかかり技術的にも北朝鮮には無理だ。その代わり韓国や日本を攻撃できる中長距離ミサイルは容易だ」

--それで韓国も核武装すべきだという話が出ている。

「このインタビューが終わる頃には韓国の技術で核兵器1つをすぐに作ることができる。できないことはない」

--韓国にもさまざまな制裁が加えられるはずだが。

「申し訳ないが、米国はもう気にしない。米国本土への打撃が可能なICBMでなければだ。北朝鮮制裁は可能なことのうち(米国が)自らの手を血に染めずにできる最も容易なことだ。今の制裁体制は維持されるはずだが、今後は過去の外交政策の遺産の荷(legacy baggage)にすぎないだろう」

--ビーガン北朝鮮担当特別代表(先月31日に国務副長官に昇進)も9月の公開講演で、北朝鮮核交渉が失敗する場合、韓日が核武装する可能性があると懸念を表した。米国が内心、韓国の核武装の可能性を考慮し始めたということか。

「そこまでではない。しかし確実なことはこうだ。米国に精巧な外交政策は期待してはいけないということだ」

--なら韓国としては中国が自然な選択ではないのか。

「中国は決して米国のようなスーパーパワーにはなれない。米国は大陸国家だが国境を合わせる国はカナダとメキシコだけだ。中国は少数民族から香港・台湾など問題が山積している。米国はシェールガスでエネルギー自給自足も実現させたが、中国はエネルギー・食料ともに海外依存度が高い。韓国の選択肢は明確だ」
中央日報 11/4(月)
(注:パラグラフを一部入れ替え-筆者)

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ピーター・ゼイハン 

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