イージス駆逐艦「マスティン」,「ベンフォルド」
イージス駆逐艦ベンフォールド(手前)マスティン(右奥)

 【台北=田中靖人】台湾の国防部(国防省に相当)は7日夜、米海軍の駆逐艦2隻が同日午前、台湾南部の海域から台湾海峡に進入し、北東方向に向かったと発表した。
 米艦艇の台湾海峡通過は異例で、台湾への軍事的圧力を強める中国を牽制する狙いがあるとみられる。

 2隻はイージス駆逐艦マスティンとベンフォールド。
 2隻が所属する米海軍第7艦隊(本拠地・神奈川県横須賀市)のサイトでは6月27日、マスティンがフィリピン沖の南シナ海で展開していることが発表されている。

イージス駆逐艦マスティン
イージス駆逐艦マスティン

 ロイター通信は6月上旬、トランプ米政権が今年、中国を牽制するため2007年11月以来となる空母の台湾海峡通過を検討したが実施せず、代わりに他の艦艇の通過を検討していると報じていた。
 台湾では、昨年7月に中国の空母「遼寧」が台湾海峡を通過した際、米駆逐艦1隻が追跡していたとの報道がある。
産経新聞 7/8(日)

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 ◇貿易問題などで対立する中国を揺さぶる狙いも

 台湾の外交部(外務省に相当)も7日夜、米軍艦の台湾海峡通過について談話を発表し、「安全保障部門と協力し、情勢に注意している」と明らかにした。台湾への軍事圧力を強める中国を念頭に「絶えず高まる軍事的脅威に対応するため、(我々は)国防への投資を加速して防衛能力を強化する」とも表明した。

 中国との対立を背景に、米トランプ政権は台湾との関係強化に動いている。
 3月に高官の相互訪問を認める台湾旅行法が成立。台湾の潜水艦建造計画に関し、米企業が台湾側と商談することも認めた。
読売新聞 7/7(土)