ソヘ衛星発射場

 北朝鮮は、弾道ミサイルに使用する新型の大出力エンジンの燃焼実験を地上で行い、成功したと発表し、みずからのミサイル技術を誇示することで、対北朝鮮政策の見直しを進めるアメリカのトランプ政権を強くけん制する狙いがあるとみられます。

 これは、北朝鮮の国営メディアが19日に伝えたもので、北西部ピョンアン北道のトンチャンリにあるソヘ衛星発射場で18日、弾道ミサイルに使用する新型の大出力エンジンの燃焼実験が地上で行われ、成功したということです。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が1面に掲載した写真では、屋外の施設に取り付けられたエンジンの噴射口から、オレンジ色の炎が真下に向かって勢いよく吹き出している様子などが確認できます。

 実験に立ち会ったキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は「今回の成功がどれだけ画期的な意義を持つのか、世界はまもなく目にするだろう」と述べたとしています。

 北朝鮮は去年4月、アメリカと韓国の合同軍事演習のさなかにICBM=大陸間弾道ミサイルのエンジンの燃焼実験を、また、去年9月には、事実上の長距離弾道ミサイルに使うエンジンの燃焼実験を、それぞれ今回と同じ場所で行っています。

 ◇「先制攻撃をしようとする動きを見せれば、核攻撃で焦土化する」とトランプ政権を威嚇

 北朝鮮は、アメリカのトランプ政権が対北朝鮮政策の見直しを進めていることについて18日、国営メディアを通じて「先制攻撃をしようとする動きを見せれば、核攻撃で焦土化する」と威嚇したばかりで、今月1日から行われている米韓合同軍事演習に対抗して、およそ半年ぶりにエンジンの燃焼実験を実施し、みずからのミサイル技術を誇示することで、トランプ政権を強くけん制する狙いがあるとみられます。
NHK news
3月19日


※固体燃料ロケット
 固体の燃料と酸化剤(過塩素酸アンモニウムなど)を混錬してロケット本体(モーターケース)に充填した固体燃料を使用するロケット。
 液体燃料ロケットとは異なり使用時にはポンプなどの機械部品で燃料を燃焼室に移送することなくロケット内部の燃料へそのまま点火。
kokei 2


※液体固形燃料ロケット(単に液体ロケットとも呼ばれる)
 液体の燃料と酸化剤をタンクに貯蔵し、それをエンジンの燃焼室で 適宜混合して燃焼させ推力を発生させるロケット。
kokei


(参考)
在日米軍関係者の施設・区域内外における都道府県別居住者数
1沖縄県 52092人
2神奈川県 26498人
3東京都 8201人
4青森県8118人
5山口県 5379人
防衛省 2013年3月末時点


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