※この高裁の裁判官は、高速道路上で急な減速や追い越し車線で車を停止させておくことがどれだけ危険な行為か分かってないのでしょうか。
 停止していたから「因果関係がない」などというのは詭弁であり、意図的に追い越し車線に大きな障害物を置くと同様の行為によって故意に追突事故を誘発させた常習的かつ悪質な事件であるにもかかわらず、二名が死亡したという事実が考慮されなかったのなら、何のための裁判員裁判なのかと耳を疑う判決です。

 壮絶な虐待と暴力を受け「おねがい、ゆるして、ゆるしてください」と書き残して亡くなった5歳女児や、その事件の数か月前に判決が出た「ひまわりを探している」が最期の言葉だった9歳女児の事件など、殺人にも相当するような虐待死事件に対しても、《相場》と称して軽めの量刑が科せられた印象が強く残っていますが、「裁判員裁判制度」は果たして正しく機能しているのか、有名無実化していないかなど再検討をする必要に迫られていると思います。 

 素人の裁判員に過去の判例などを誘導的にレクチャーして心理的な同調圧力的なものが生じた疑いがないかどうか、アメリカの陪審員制度のように裁判員裁判の「思想的な偏りなどを排し、人選は公平・公正に行われたか」など厳正にチェックするシステムが必要だと思います。 *

石橋和歩容疑者(25)

 神奈川県大井町の東名高速道路で2017年、「あおり運転」で停止させられた車にトラックが追突、一家4人が死傷した事故で自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などに問われた石橋和歩被告(27)の控訴審判決が6日、東京高裁であった。

 朝山芳史裁判長は懲役18年とした一審横浜地裁の裁判員裁判の判決を破棄、審理を同地裁に差し戻した。
 高裁は一審同様、同罪の成立は認めたが、地裁の訴訟手続きに問題があったと判断した。
「因果関係否定あり得る」 東名あおり、裁判やり直しで―弁護人

石橋数歩

 朝山裁判長は、一家の車の直前での「停車」について、一審と同じく、同法が禁止する「重大な危険を生じさせる速度での運転」には該当しないと判断。

 一方、一家の車は違法なあおり運転で停止を余儀なくされたなどとして、あおり運転と追突事故の因果関係を認めた地裁の判断も是認し、同罪の成立を認めた。

 高裁が問題視したのは、地裁が初公判前に争点を絞り込む公判前整理手続きで、「暫定的だが、本件で危険運転致死傷罪の成立は認められない」と表明したのに、見解の変更を告げないまま裁判員裁判で同罪で有罪とした点。

 朝山裁判長は「被告の手続き保障を十分確保しなかった違法がある。同罪が成立し得る前提で、改めて裁判員で審理をすべきだ」と結論付けた。

 一審判決では、17年6月5日夜、萩山嘉久さん=当時(45)=に駐車方法を非難されて憤慨した石橋被告は、萩山さん一家の車を時速約100キロで追い抜き、車線変更して進路をふさぐ運転を4回繰り返して追い越し車線上に停止させた上、萩山さんを暴行。
 約2分後に発生した大型トラックの追突で、萩山さんと妻友香さん=同(39)=を死亡、娘2人にけがをさせたとされた。
時事ドットコム 12/06

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