ビザ免除措置国拡大(68か国)や外国人労働者の受け入れ拡大政策による治安の悪化を体感しているなか、ここ最近の殺人事件裁判における「加害者の人権のみ擁護するかのような《死刑なき判決》」は、社会不安や司法不信をさらに煽る結果となっています。 

 日弁連が死刑廃止宣言をし、弁護士が依頼人の意向を無視&権限を行使して裁判をコントロールしたりという事案も発生、人権重視を謳いながら被害者の人権をないがしろにする弁護士、形骸化しつつある裁判員裁判制度、言論の自由の侵害など、司法の現場と一般の国民感覚との乖離がさらに深刻化する前に対処しなければ、それほど遠くない未来に日本に住む日本人が委縮して暮らさなければならない絶望的な社会に変わってしまうことになりかねません。 *

ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン

 ◇熊谷6人殺害事件 検察側が上告断念 死刑の可能性なくなる

 4年前、埼玉県熊谷市で6人を殺害した罪などに問われ、1審で死刑判決を受けたペルー人の被告が2審で無期懲役を言い渡されたことについて、東京高等検察庁は最高裁判所への上告を断念しました。

 被告の弁護士が無罪を主張してすでに上告し、今後、最高裁で審理されますが、被告に死刑判決が言い渡されることはなくなりました。

 ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)は、平成27年9月、熊谷市で住宅3軒に次々と侵入して小学生2人を含む6人を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われています。

 ◇一審では事理弁識能力ありとして「死刑」→二審で「無期懲役」に

 1審のさいたま地方裁判所が求刑どおり、死刑を言い渡したのに対して、2審の東京高等裁判所は今月5日、「責任能力が十分ではなかった」と判断し、1審の死刑を取り消して無期懲役を言い渡しました。

 これについて東京高等検察庁は19日、上告を断念したことを明らかにしました。

 理由について、東京高等検察庁の久木元伸次席検事は、「事案の重要性や遺族の心情などを踏まえたうえで、さまざまな角度から判決内容を慎重に検討したが、適法な上告理由が見いだせず遺憾だが上告を断念せざるをえない」とするコメントを出しました。

 被告の弁護士が無罪を主張してすでに上告し、今後、最高裁で審理されますが、検察が上告しなかった場合、2審の判決より重い刑にはできないという法律の規定があるため、被告に死刑判決が言い渡されることはなくなりました。

 裁判員裁判による1審の死刑判決が2審で取り消されて無期懲役とされたケースはこれまで6件ありますが、検察が最高裁に上告せずに死刑にならないことが決まるのは初めてです。

上告断念 6人殺害

 ◇遺族「全く納得できない」

 検察が控訴しないことについて、事件で、妻の加藤美和子さん(当時41)と長女の美咲さん(当時10)、次女の春花さん(当時7)を亡くした男性(46)が会見し、気持ちを述べました。

 加藤さんは「検察から上告断念を聞かされた瞬間は、『え、なぜ』という思いになり、全く納得できていない。いくら説明を求めても、検察からの説明では『上告理由がない』の一点張りのように感じて、やるせない気持ちになった。1審では、裁判員が苦渋の決断で死刑判決を言い渡したのに、2審で覆り、最高裁で闘おうと思っていた。判決が死刑でも、無期懲役でも、家族が帰ってこないことに変わりはないが、私が、これから前を向いて生きていくためにも、上告して闘おうと思っていただけに、やるせない気持ちです」と、ことばを選ぶように話しました。

 また、加藤さんは19日、事件が起きてから初めて、報道陣のカメラ撮影について制限を設けず、顔がわかる形で会見に臨みました。

 その理由について加藤さんは「検察に上告をしてもらえなかったことで、遺族が感じた悔しい思いを、分かってもらいたいという気持ちがあります。そして、4年前に起きた、この事件のことについても、社会の皆さんに改めて思い起こしてもらいたくて、顔も出して取材を受けようと思いました」と話しました。
NHK NEWS WEB 12/19(木) 
(リンク先動画あり)

ペルー人 熊谷6人殺害事件

 ◇熊谷6人殺害、被告側上告 心神喪失で無罪主張

 埼玉県熊谷市で平成27年、小学生2人を含む住民6人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われたペルー人、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)の弁護人は18日、心神耗弱を理由に1審の死刑を破棄し、無期懲役とした2審判決を不服として最高裁に上告した。

 弁護側は「被告は犯行時、心神喪失の状態で刑事責任は問えない」と無罪を主張していた。

 東京高裁は5日の判決で、統合失調症による妄想が犯行全般に影響を与えたと指摘。
 心神耗弱の状態で責任能力は限定的だったと判断し、刑を軽くした。

 裁判員裁判だった1審さいたま地裁判決は完全責任能力を認めていた。
産経新聞 2019.12.18


ナカダ容疑者 犯行後、窓から飛び降り逮捕される
犯行後、窓から飛び降り身柄確保⇒入院、手術

 ◇ペルー人・ナカダ容疑者が頭部の手術で別人に 奇声・奇行はなくなったが……「私はやっていない…」

 埼玉県熊谷市の3民家で6人が殺害された悲惨な事件から3カ月余り。
 殺人容疑などで逮捕され、空腹になると叫び声を上げていたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)は、頭部の手術を受けると奇行が別人のように収まったという。

 しかし供述は変わらず「私はやっていない」――。
 質問以外のことはペラペラと話し現在、鑑定留置中のナカダ容疑者。事件の「今」を「けが」「姉」「ペルー人」の3つのキーワードで読み解いた。(菅野真沙美)

 「早く退院させて」

 「退院させたのは早すぎた」

 母子3人が殺害された家の2階窓から転落したところを身柄確保されたナカダ容疑者。

 熊谷市内の病院に入院したが、10月8日に回復したとして退院し、殺人容疑などで逮捕された。

 当初から「事件のことは知らない、分からない」と容疑を全面否認。それどころか、空腹時に大声をあげるなどの奇行が目立った。

「『怖いから早く退院させてほしい』という深谷の病院の看護師たちからの声がかなりあったことも少なからず影響しているようだ。6人殺害犯が院内にいることが嫌だったのだろう」
 捜査員はそう振り返る。

 実は、最初の退院の時点で、ナカダ容疑者の回復は不十分だった。

 接見した弁護人に「左目が見えない」「顔がしびれている」などと訴え、検査すると目の奥を骨折して鼻から髄液が漏れている状態。

 10月15日に再入院し、22日に髄膜炎を予防するための頭部手術を受けた。
 捜査関係者によると、手術後、ナカダ容疑者の奇行はなくなったという。
産経新聞 2015.12.26

犯行後窓から飛び降り ナカダ容疑者
姉の証言「弟は『誰かに追われている。誰かが殺そうとしている』と言っていた」

ナカダ容疑者の兄 17人を殺害して懲役35年
ナカダ容疑者の兄も殺人で服役中