愛知県警本部(名古屋市中区)
愛知県警本部(名古屋市中区)

 愛知県警は10日、名古屋市熱田区の自営業(解体業)の男性(59)を覚せい剤取締法違反(所持)容疑で誤認逮捕したと発表した。
 男性は身柄を約3時間拘束された後に釈放された。
 県警は逮捕状を取って行方を追っていた50代後半の男と似ていたため、別人と気付かず勘違いで逮捕したという。
 男は見つかっておらず、引き続き捜査している。

 県警薬物銃器対策課によると、3月上旬に愛知県内で覚醒剤を所持していたとする容疑で男の逮捕状を取り写真も入手して捜査していたところ、10日昼に名古屋市港区の店舗に来たとの情報があり、駆けつけた捜査員が店舗駐車場で、現れた男性に職務質問した。

 男性は「知らない」と話し男とは別人と説明したが名前を名乗らなかった。
 捜査員は、男と背格好や容姿が似ている上、同じ車種・色の乗用車に乗り込もうとしたことから逃走の恐れがあると判断し、午後3時39分に男性を逮捕した。

 天白署に移送して乗用車を調べたところ、車内にあった免許証で別人だったことが判明し、県警は午後6時28分に男性を釈放した。

 同課の柴田博夫次長は「身分確認が不十分で男性に申し訳ないことをした」とコメントした。
【駒木智一】
毎日新聞 下野新聞4/11(水)

※約一か月にわたって別人をマークしているあいだに真犯人にまんまと逃げられたわけですが、命に別条がなかったとはいえ、“被害者”にとっては理不尽で迷惑極まりない事件です。
 誤認逮捕の際に死亡し、警察の責任逃れのために「被疑者死亡のまま書類送検」された下の事件などはさらに悲惨です。
 防犯カメラに映った不気味な女性(虚偽告訴のまま逃走)は、今どうしているんでしょうか。

        *

◆四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件
 2004年2月17日に三重県四日市市で発生した誤認逮捕および冤罪事件。
 四日市市のジャスコ四日市尾平店(現:イオン四日市尾平店)にあるATMコーナーにて、2~3歳ぐらいの幼児を抱いていた若い女に泥棒扱いされた無実の68歳の男性が、店員や買い物客ら3人に取り押さえられ、居合わせた四日市南警察署の警察官の拘束後に死亡した。

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件

 男性の死因は「高度のストレスによる高血圧性心不全と不整脈」と発表されたが、この「ストレス」は逮捕・制圧の際の精神的・肉体的苦痛によるものと推測される。

 店員や買い物客が男性を制圧している隙に女は逃走しており、三重県警察は虚偽告訴罪の被疑者として捜査を続け翌年2005年には現場の監視カメラに映っている画像を公開した。 容疑事実を特定できないままに画像を公開することはグリコ・森永事件以来の異例の措置である。

 2011年2月17日午前0時、窃盗未遂事件における公訴時効が成立し、未解決事件となった。三重県警察は翌18日、被疑者死亡のまま男性を書類送検した。wikipedia

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件