※日本政府には、中国がすでに実質的な“戦時体制”にあり、今日本で起きていることが国民の生命が脅かされている“バイオテロ”の可能性もあるという危機意識がまったくないようです。それどころか、人権無視の弾圧、侵略国家に対し、不測の事態のために備蓄していた緊急医療物資まで嬉々として差し出し、偽善的な自己満足に浸っている始末。

 我々日本人は、霞が関、政治家、主要メディアのすべてが中共によって隅々まで汚染され、日本の中枢が完全に崩壊してしまったという現実を厳しく受けとめなければなりません。といっても、個人の力ではどうすることもできませんから、今となっては何もかも手遅れ、虚しさをかみしめるだけなのかもしれませんが。 *

門田隆将
2020年2月21日

 ◇「武漢市の新たな感染者が湖北省の新たな総感染者数より多い」という謎

 中国国家衛生健康委員会は2月19日、湖北省で新たにWuhan coronavirus感染者349人を確認し、そのうち武漢市では新たに615人と発表した。
 中国版ツイッターの微博では、武漢市の新たな感染者がなぜ湖北省の新たな総感染者数より多いのかと疑問が相次いだ。

 中国共産党機関紙・人民日報は同日、2月13日から今まで採用していた臨床診断を廃止したためだと説明した。臨床診断とは、ウイルス検査で陽性の結果が出ていなくても、新型肺炎特有の症状の有無で感染しているかどうかを判断する方法だ。

 新方式に従い、それまで症状があってもウイルス検査では陰性の患者数を、感染者数から引いた。しかし本来、陰性と判断された人数は累計の感染者数から引くべきだったが、当局は当日の感染者数から引いたため、湖北省全体の総数が武漢市より少ないという現象が起きた。

 湖北省の衛生当局、衛生健康委員会は、武漢市を含む省内の5都市の新たな感染確認者628人から、孝感市など10都市のウイルス検査が陰性である279人を引き、「同省の新たな感染確認者を349人」とした。

 アメリカの外交専門誌「フォーリン・ポリシー」は、「診断方法の変更は政治的な要素を排除できない」との見方を示した。

 中国当局は2月13日、湖北省トップの蒋超良・党委員会書記を更迭し、後任に応勇・上海市長を充てた。同日、公表された2月12日の同省の新たな感染者数は、前日の1638人から約9倍増の1万4840人となった。

 応勇氏が、蒋氏が離任する前に「感染確認されていない症例を感染確認者と合算して、感染拡大の責任を前任者に負わせようとした」との見方がネット上で広がった。

 応勇氏が湖北省トップに就任してから、発表される感染者数は徐々に減る傾向にある。この理由は当局が企業活動の再開を急いでいるためだと「フォーリン・ポリシー」は指摘した。
 浙江省と広東省は最近、隔離措置を緩め始め、市民の外出が少しずつ増えているという。

 為替データの提供元であるオアンダ・アジア・パシフィック(OANDA Asia Pacific Pte)の市場アナリストを務めるジェフリー・ハリー氏はブルームバーグに対して、再三にわたって診断方法を変更する中国当局は「人々を混乱させる」と指摘した。
「長い目で見れば、各国は中国の旅行制限を延長する可能性もあり、中国経済に打撃を与える」
(翻訳編集・張哲)
Epochtimes 2020年02月21日


 ◇中国はすでに戦時体制に

 中国広東省広州市と深セン市の人民代表大会(議会に相当)は2月11日、防疫対策の一環として、両市政府が緊急時に個人資産を収用できるよう立法した。
 専門家は、中国当局がWuhan coronavirusの感染拡大を口実に、市民の資産や物資を強制的に没収する恐れがあるとの見方を示した。

紅十字会医院

 両市の人民代表大会は11日、緊急立法を通じて、市政府と各区政府が感染状況に応じて「個人の土地、交通ツール、設備などの物資を収用することができる」とした。同時に、企業に対して防疫物資や生活必需品の提供を要求した。

 中国在住の時事評論家・呉特氏は大紀元に対して、「広州市と深セン市の緊急立法について驚かない。他の地方ではすでに、法的な手続きを踏まないで、個人資産を強制的に収用している。補償金は非常に少ない。全くもらえない人もいる」と話した。

「マスクをしないおじいさんの口に拳銃を入れる警察。中国の日常です」
 
 呉氏は、感染者が急増しているため、「物資が非常に不足している」「中国当局は、物資の強奪行為を常態化、または合法化する狙いがある」との見方を示した。
 同氏は、当局が広州市などでテストを行い、その後、全国にこの手法を推進していくと説明した。

「中国国内は今、有事に近い状況だ。武漢市は軍の管理下に置かれた。感染がさらに拡大すれば、中国全土が軍の管理下に置かれる可能性がある」

武漢市

 豪州シドニー工科大学の馮崇義教授は、当局の個人資産収用は「国庫補てんの意図がある」との考えを示した。
「2019年以降、各地方政府の財政赤字が深刻になった。中央政府がここ数年、海外にばら撒いてきたため、国庫が空になった。当局が新型肺炎のまん延に乗じて、市民の資産所有権を取り上げるのではないか」

 共産党中央軍事委員会は2月10日、軍と地方政府の連携や交流を厳禁する13の禁止令を出した。

 中国軍にパイプを持つ学者の鄭凱夫氏は「典型的な戦争時の命令だ。同時に、軍の機密情報の漏えいや、一部の軍人が地方政府と関わり合い反旗を翻すことを防げる」と語った。

 鄭氏は、広州市と深圳(シンセン)市が緊急に立法したことも「市が軍の管理下に置かれたことを意味する」と強調した。

(翻訳編集・張哲)
Epochtimes 2020年02月13日

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