※この半世紀で脅威となったインフルエンザウイルスのほぼすべてが中国で発生しています。
 中国は元々人口も多く、自然界のあらゆる物を食することでも知られていますが、少子高齢化に伴い一人っ子政策廃止(2015)したものの農業の衰退による食料自給率の低下が著しく、一方で手っ取り早く栄養を摂取できる動物性タンパクの需要は増加、人口が集中する都市部では、限られたスペースの市場に多種多様の動物が国内外から集められて売られているのが現状です。

 Wuhan coronavirusの発生源となった武漢市の市場も、入り組んだ狭い通路に沿って約1000店舗が犇めき、大量の生鮮食品、野生動物が販売されていました。

 在日中国人などが神社のハトや他人の飼い犬、猫などを勝手に食べてしまったなどのニュースもたまに流れますが、移民の増加に伴ってあらゆる野生動物を食料とする文化が持ち込まれることで、今回のような人畜共通ウイルスが中国以外でも発生、拡散するリスクが高まり、さらに生態系への影響も予想されます。

 国際犯罪やパンデミックなどの水際対策が緩過ぎると言われている日本政府には、中国との経済関係の深化を優先するのではなく、国民保護・国防の観点から高レベルの危機意識を持つよう強く望みます。 *

春節で大移動

(CNN) 中国湖北省の武漢市で発生した新型コロナウイルスについて、中国に生息するアマガサヘビやタイワンコブラが感染源だった可能性を指摘する論文が、このほど学会誌に発表された。

 アマガサヘビは猛毒をもつコブラの仲間で、中国中部と南部および東南アジアに生息する。

タイワンコブラ
タイワンコブラ

 新型コロナウイルスによる肺炎は、昨年12月に武漢市で報告され、旅行者を通じて中国国内や海外にも広がった。世界保健機関(WHO)はこの新型コロナウイルスを「2019-nCoV」→「COVID-19」と命名している。

 報道によると、同ウイルスに感染して最初に入院したのは、武漢市の海産物卸売市場の従業員や利用客だった。
 同市場では食用の動物や爬虫類(はちゅうるい)も販売しているが、水産物のコロナウイルス感染は報告されていないことから、市場で売られていたそれ以外の動物から感染したとする説が有力視されている。

2019-nCoV

 ウイルス学会誌にこのほど発表された論文では、2019-nCoVが同市場で動物から感染したという説を支持している。

 研究チームが2019-nCoVの遺伝子配列を解析して他のコロナウイルスと比較した結果、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似たコウモリのコロナウイルスと最も近い関係にあることが判明。2019-nCoVもSARSや中東呼吸器症候群(MERS)と同様に、コウモリが感染源だった可能性があることが分かった。

 しかし、2019-nCoVの遺伝子配列についてさらに詳しい生物情報工学解析を行ったところ、このウイルスがヘビから来ていた可能性が浮上した。

 野生のヘビはコウモリを餌にすることがある。武漢市の海産物市場ではヘビも販売されていたことから、コウモリからヘビに感染した新型コロナウイルスが人へと広がり、今回の流行を引き起こした可能性が高くなった。
CNN 1/23(木)

SARS発生源、キクガシラコウモリが有力―中国
中国科学院武漢ウイルス研究所の石正麗(シー・ジョンリー)研究員が率いる国際研究チームはこのほど、SARSウイルスに相似するSARSコロナウイルスを抽出し、キクガシラコウモリがSARSウイルスの起源であることを裏付けた。
SARS
キクガシラコウモリとハクビシン

広州の青果市場
生のムカデ食べて寄生虫に感染、青果市場で購入 中国
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