◇火を付けるとすぐに燃焼する断熱材を使用
【ロンドン時事】
死者推定少なくとも79人に上ったロンドン西部の高層アパート火災について、ロンドン警視庁高官は23日、冷蔵庫が発火し火元になったとの調査結果を明らかにした。
建物の外壁材や断熱材も安全基準を満たしておらず、警察は日本の過失致死に相当する容疑での訴追を視野に調べを進めている。
冷蔵庫は現在製造元が検査を行っている。
使われていた部屋の位置など詳細は明らかにされていないが、発生直後、4階で冷蔵庫が爆発したとの目撃証言が伝えられていた。
記者会見した高官は、現場で回収された証拠から「火災は意図的に起こされたものではない」との見方を示した。
◇避難用の出口は一か所、すべての安全基準に不合格
一方、24階建てアパートの外壁材などについて、高官は「すべての安全検査に不合格だった」と指摘。焼け跡から集められた断熱材のサンプルは、火を付けるとすぐに燃焼してしまったという。
時事ドットコム(2017/06/23)
[14日に発生した火災は17日まで燃え続けた]
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◇立ち入りの8割で違反指摘=都内の高層マンション-東京消防庁
東京都内にある高層マンションのうち、昨年東京消防庁の立ち入り検査を受けたマンションの8割が、消防法違反を指摘されていたことが17日、同庁への取材で分かった。
ロンドンでは高層アパートで大規模な火災が起きている。放置すれば出火の際に逃げ遅れるなどの恐れがあることから、同庁は早急な改善を求めている。
同庁によると、31メートルを超す共同住宅が高層マンションとされ、都内には9288棟ある。
同庁が昨年1年間に立ち入り検査したのは576棟で、うち463棟で同法違反があった。
指摘内容は防火管理者の未選任や消防計画の不備、消防用設備の点検の未実施、未報告などだった。
消防法では共同住宅などで収容人数が50人を超える場合、防火管理者を選任し消防計画を立て、避難訓練をするよう定められている。16日現在で、302棟が依然改善されないままだという。
(2017/06/17-21:27)
時事ドットコム