太陽の光をあてるだけで、水を完全に分解して水素を作り出すことができる特殊な触媒を開発したと大阪大学のグループが発表しました。新たなエネルギー源として活用が期待されている水素の可能性を広げる技術として注目されています。
研究を行ったのは大阪大学産業科学研究所の真嶋哲朗教授らのグループです。
グループでは植物が光エネルギーを使って水を酸素と水素に分解する仕組みを参考に光を吸収しやすい「黒リン」と呼ばれる物質と塗料などに使われる化学物質を結合させて粉末状の物質を作りました。
そして、この粉末を水に入れて光をあてたところ粉末が光触媒として働き、水が酸素と水素に分解されることが分かったということです。
光触媒を使って水を分解する技術はこれまでもありましたが、非常に効率が悪く実用化は難しいとされていましたが、今回の光触媒は光を当てるだけで水を完全に分解できるということです。
グループではさらに研究が進めば燃料電池など新たなエネルギー源として期待される水素を効率よく製造する技術につながるとしています。
研究を行った真嶋教授は、「水素は二酸化炭素を発生させない究極のエネルギー源で、大量かつ
安く作り続けることが重要になってくる。その第一歩となる成果だ」と話しています。
NHK(リンク期限切れ) 01/13
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◇黒リンを極薄ナノシートに分離する技術が登場、次世代電子デバイス材料の期待高まる
リンの同素体の中でも比較的安定な黒リンは、原子数個の厚みしかもたないナノシート形状にすることでさまざまなエレクトロニクス材料へ活用できる可能性が示されていましたが、ナノシートを簡単かつ大量に作るという点に難がありました。
しかし、トリニティ・カレッジ(ダブリン大学)の研究グループが、黒リンナノシートを簡単に作る手法を開発したと発表。
しかし、トリニティ・カレッジ(ダブリン大学)の研究グループが、黒リンナノシートを簡単に作る手法を開発したと発表。