※国慶節を迎えるにあたって香港で抗議活動に関わっていた若者を大量に逮捕、拘置所送りにしてもなお抗議活動が収まる気配もなく、“天安門”の再現を恐れる声も上がる中、中共の統制下にある警官隊による武力行使で、香港はもはや騒乱状態に陥っているようです。

「香港における自由と人権の保障を求める戦い」を応援する国際的な世論を高めるためにも、日本政府も沈黙をせずに声明を出すべきではないでしょうか。香港、台湾を中国共産党の横暴や弾圧から守ることは、日本の未来の安全保障に直結する重要かつ差し迫った課題です。 *



アグネス・チョウ 民主化運動の先頭に立つアグネス・チョウさん(22)は「10月1日は決してお祝いする日ではない。香港人がたくさん中国から弾圧を受け、中国が自ら1国2制度という約束を壊している。私たちがこれから戦わないと香港はもっと恐怖の場所になってしまうかもしれない。引き続き戦わないといけない」と強調。

 ◇荃湾地区で抗議活動激化、北京では中国建国70周年の軍事パレード開催

 中国建国70周年を迎えた1日、香港各地で「国難の日」と位置づけた抗議活動が激化した。
 香港紙「東方日報」(電子版)によると、北西部の荃湾(せんわん)地区であった衝突で警官が発射した実弾が少年(18)の左胸に命中し、少年は病院に搬送されたが危篤状態という。

警棒で殴りかかる香港警察

 香港大学学生会が発砲の瞬間を撮影したとしてネット上で公開した映像には、鉄の棒で殴りかかろうとする少年に対し、警官が至近距離で発砲し、少年が倒れ込む様子が映っている。

 東方日報によると、発砲は同日午後4時ごろ発生、少年は現場で手当てを受けた後、病院に搬送された。少年は高校2年の生徒との情報もある。

実弾攻撃

 この日、中国・北京では天安門広場一帯で、近年最大規模の軍事パレードが実施された。航空機160機や装備580台が登場し、現行のミサイル防衛での迎撃が極めて困難とされる極超音速ミサイル「東風(DF)17」などの新型装備が初公開された。

 パレードに先立つ演説で習近平国家主席は「いかなる勢力も偉大な祖国の地位を揺るがすことはできない」と表明、香港での「1国2制度」の堅持や台湾統一への意欲を示し、米国に迫る世界2位の経済大国となった成果を誇示していた。【香港・福岡静哉、北京・河津啓介】
毎日新聞 2019/10/01

習近平

 ◇中国建国70周年行事始まる 軍事パレードに香港警察を招待

 【北京=西見由章】中華人民共和国の建国70年となる国慶節(建国記念日)の祝賀行事が1日、北京の天安門広場で開かれた。
 習近平国家主席(中国共産党総書記、中央軍事委員会主席)が人民解放軍の部隊を閲兵し、習指導部としては3度目となる軍事パレードを行う。

 米国との貿易戦争の激化や経済成長の減速、香港の反政府デモ拡大といった問題が山積する中、習氏は演説で国民に「団結」を呼びかけて求心力の維持を狙うとともに、世界2位の予算規模を誇る軍の威容を誇示して国威発揚を図る。

軍事パレード

 軍事パレードは約80分間実施。過去最大級の規模となる将兵ら約1万5千人と航空機160機余り、車両など580台が参加し、習氏への忠誠を誓う。
 米本土に届く移動式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)41」など陸海空軍やロケット軍、戦略支援部隊の最新兵器が公開される見通しだ。

建国70周年 北京
新型ICBM「東風(DF)41」

 祝賀行事と軍事パレードには、香港の「逃亡犯条例」改正問題をめぐる抗議活動に対峙(たいじ)して負傷した警察官らを招待し、デモへの厳しい取り締まりを支援する姿勢を打ち出す。

 軍事パレードに続いて、市民ら約10万人が参加する祝賀パレードも行われる。
産経新聞 2019.10.1

        *

◆関連記事
【香港】「雨傘運動」の元学生リーダー3人に実刑=2014年の大規模デモ主導‐香港高裁 →羅冠聡氏、黄之鋒氏、周永康氏に対し、違法集会参加や扇動の罪で禁錮6~8月の実刑判決
大勢の中国人が大阪で中国国歌を斉唱 中共による召集か
 →海外にいる中国人の大半が中共予備軍
中国・国防動員法の恐怖 「有事」認定で進出企業のヒト・モノ・カネを根こそぎ
 →有事になれば一方的に適用、海外滞在中も有効。予告なしに駐在員と家族は人質に?最悪の場合、海外との通信手段の全面遮断、口座凍結も。
【米中】中国がインド太平洋で対抗 35年までに武力抑止不能の可能性【米議会報告】 →習近平、国際的覇権への野心隠さず「軍事大国宣言」