※故田中正明氏の公認の弟子である松尾一郎氏が、今では入手不可能な大変希少価値のある数々の資料をもとに、南京問題研究の基礎講座を開設した第一回目の動画です。 *

 


「南京関係の写真について3万枚研究している」「南京の写真を2万枚持っている」などといってる人もいるようですが、そもそも万単位の写真など存在しません。重複していたとしてもせいぜい2000枚+α程度です。(松尾一郎氏談)

■南京問題研究三つの流れ
①実証派――「戦闘詳報」などをもとに研究。田中正明氏など

南京戦史 偕行社

②証言派――阿羅健一氏など
聞き書 南京事件

③プロパガンダ派――鈴木明氏、北村稔氏など

「日寇暴行実録」軍事委員会政治部
100ページに約170枚の写真が掲載されている。
日寇暴行実録

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「南京事件番組」で清水潔氏がギャラクシー賞受賞 【番組検証記事】問題
日テレが産経新聞に「厳重抗議」も証拠=他社(毎日新聞)の過去記事が出て返り討ち
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この件に関しては、松尾一郎氏が『歴史通』(2017年4月号)で反論(p.166~177)
●『「南京事件」を調査せよ』絶版の勧め デタラメ「日テレ」ドキュメンタリー
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 ◇『「南京大虐殺」のまぼろし』(文藝春秋)の著者鈴木明も草場の陰で唖然?

――“虐殺”写真をめぐる経緯――日中問題研究科、松尾一郎氏
(以下、抜粋引用)

 2016年(平成28年)6月2日、優れたテレビ番組等へ贈られるギャラクシー賞優秀賞に、2015年10月4日深夜に放送された、日本テレビ系列放送“NNNドキュメント「南京事件兵士たちの遺言」”が選ばれた。

 選評は「南京事件に参戦した兵士たちの日記などの資料を基に取材を重ね真相に迫った作品。今回の受賞について放送批評懇談会は『徹底した調査報告を展開した』と評価した」とのこと。

「しんぶん赤旗」(2016年10月23日付)も一次資料を手掛かりに丹念な裏付け調査をしており、この本を「『南京事件』否定論を封じ込める労作です」と絶賛。

 だが、10月16日産経新聞朝刊が「『虐殺』写真に裏付けなし 日テレ系番組『南京事件』検証」との記事を掲載し、番組内で使用された写真の信憑性について問題提起をした。
 これに対し日テレは、10月26日付で同番組ホームページ上で「虐殺写真と断定していない」と、反論と抗議を行った旨を掲載。

(中略)
 最大の問題は、当時の一次資料に基づいて客観的で冷静な検証が日中双方で行われていないからではないか。中国では事件を鉄証如山(鉄のように固く山のように動かしがたい事実)……としながらも事件を決定的に裏付ける根拠が乏しいことは、先の世界記憶遺産として登録された「史料」の内容からも読み取れる。

 一次資料としては、米国人マギーによる映像のみで、それ以外の史料はすべて二次、三次以下であった。
 今回の番組も同じく、過去に南京事件の証拠として登場したが証拠として不十分なモノばかりが再度「根拠」として登場しており、虐殺の証明としては些か杜撰であるといえる。

 主に虐殺の証明として「日記」や「証言」が中心に取り扱われ、一次資料が重要と言いながら実際には三次史料以下ばかりで、南京事件に関して実態を解明するどころか、むしろ逆で、多少でも南京事件について知識がある者であれば、製作側のご都合主義的解釈によって日本軍が南京へ至る前からすでに虐殺を行ったと印象付けようとする意図が読み取れる場面が、番組中幾度も見え隠れしていた。

 ◇「証拠写真」を根拠に印象操作

 問題の写真について、「防寒服姿で倒れている多くの人々、これは南京陥落後の中国で日本人が入手した写真と言われています」と番組内で紹介。
(清水潔氏の著書では「『うつ伏せで倒れし人々』対岸には山の稜線が見えている」とのキャプション)

 しかし、番組では写真についての信憑性の検証は一切なされておらず、番組終了直前の2分間において再登場し、エンドロールが流れ、終わる。
 番組では、いかにもこの写真が南京において撮影されたかの様に錯覚しそうな印象を受ける。が、南京市横を流れる揚子江(長江)から見た山の稜線が似ているということだけが根拠となっている。

 そもそも対岸の稜線が完全に一致するかどうかは画像解析ソフトで比較すれば一目瞭然で証明できるにもかかわらず、それすら行っていない。写真に関するこの番組の報道姿勢が杜撰であることの証明である。

 ちなみに、この写真は、1988年12月13日、毎日新聞12版紙上にて『南京大虐殺、証拠の写真』という記事が初出で、更に翌年の1月1日号『毎日グラフ』にも掲載され『これぞ南京大虐殺!証拠の写真』と掲載されたもの。
 写真自体、もともとは読者からの投稿写真であり、入手経路も定かでなく、「いつ・どこで・誰が」撮ったものであるかも判然としない代物である。

「作者も製作年代も、又製作場所も判明しない場合」は四等史料となり、四等、五等を「参考資料」と呼び、参考にもならないものを「六等史料」と呼ぶ。(『史学概論』)
 つまり、番組で紹介された写真は四次史料(四等史料)となり、論ずるに値しないことが分かる。
 しかも、この写真は南京で売っていたものではなく、旧満州の長春の道端で売っていた写真であり、このような残虐写真は当時中国各地で売られていた記録が数多く存在する。――

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