※いまのところ「二階幹事長続投」を明言する記事は毎日新聞しか見つからないのですが、幹事長ポストを死守するために並々ならぬ執念を燃やす二階俊博氏のことですから菅氏度重なる秘密の会食を経て菅義偉氏を推すと発表した段階で“確約”は取り付けてあったものと思われます。よって、まんざら飛ばし記事とも思えないところがありますし、二階氏周辺からのリークという可能性もあります。

 安倍首相の露出が減って健康不安説が流れる中、逆に菅義偉氏のマスコミへの露出が増していった裏に二人の妖怪の安倍降ろしの意図ありとも噂されていましたが、どうやら黒い噂が現実味を帯びてきたようです。記事をそのように読めば、菅氏への批判の声を封じるかのように現れた、「菅氏を異常に褒め称え、苦労人の美談として広めている人たち」の存在も頷けます。 *

菅氏、消費税増税必要と明言

二階俊博続投

 ◇裏切りの菅義偉「安倍降ろし」への秘めた思惑とは?二階氏と急接近、TV出演で攻勢

 首相の健康不安で「ポスト安倍」に世間の関心が高まる中、菅義偉官房長官が存在感をアピールするかのようにテレビ出演を重ねています。その「思惑」はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、菅官房長官への急接近ぶりを見せつけている二階幹事長をキーパーソンに挙げつつ、この時期に菅氏がテレビ生出演を繰り返す理由を考察しています。

◆8月、テレビに出まくる菅官房長官の胸の内
おそらくこの8月ほど、菅義偉官房長官が頻繁にテレビ番組に生出演したことはなかったのではないだろうか。筆者が知っているだけでもこれだけある。

1日:日本テレビ系列「ウェークアップ!ぷらす」
2日:NHK「日曜討論」
18日:BS日テレ「深層NEWS」
21日:テレビ朝日「報道ステーション」

 いうまでもなく官房長官は内閣のスポークスマンである。「原則として月曜日から金曜日に、午前と午後の2回、定例会見をおこなっている」と、官邸のサイトに書いてある。その一場面がしばしばテレビで放映されるため、いつも飽きるほど見ている顔だ。

 とはいえ、内閣ナンバー2の権力者のおでましとなると、スタジオの空気感も日頃とは違う。それに、ニュース用の断片映像よりも、生出演のほうがより正確で、はるかに多くの情報が伝わってくる。キャスターの力量や質問の仕方などによっては、会見では聞けない話が飛び出すことだってありうるだろう。

 それにしても、この8月の生出演回数は、異例の多さだ。菅長官は自身のブログやツイッターなどで、テレビ番組出演の「お知らせ」を掲載しているが、それによると、この1年に8回ほど生出演しており、うち4回が今年の8月に集中している。

 直近の4回、いずれもテーマはコロナがらみ。出演を依頼するテレビ局側にすれば、後手にまわりがちな感染防止対策や、アベノマスク、GoToトラベルキャンペーンなどズッコケ政策について官房長官の見解を聞くという狙いはもちろんあるだろう。だが、多分それだけではない。

 テレビ局側の関心と、菅官房長官の秘めた思惑が、この時節、はからずも一致したということではないか。

 メディアが今、最も関心を持っているのは「ポスト安倍」の動きだ。安倍首相の体調が芳しくないのは誰の目にも明らかで、しかも、内閣支持率はさまざまな疑惑、不祥事、失政が重なって急降下、いまや保守層からも見限る声が出てきつつある。

 来年9月の総裁任期切れを待たず、安倍首相が自ら退陣するという観測が流れるのも仕方がない状況だし、たぶんそうなるだろう。あの顔色、目や声の力のなさ。解散総選挙などできそうもない。9月に予定される内閣改造も危ぶまれるほどだ。

 退陣となると、誰が次の総理になるのか。石破か、岸田か、河野かと世評の高名前が出てくるが、いずれも毛並みのいい世襲政治家ばかり。コロナ禍がいつ終息するかも見通せず、健康不安と経済的打撃がこれからも長々と続くことを思えば、誰がトップになろうと、国民の不平、不満を背景にした激しい政権バッシングを覚悟しておかねばならない。たとえ堕落しきった現状より誠実であっても、ひ弱な政権になっては、とてもじゃないが、もたないだろう。

 その観点からいくと、政治家秘書、地方議員から、のしあがってきた菅義偉氏が打たれ強い政治家ということになるのだろうか。二階俊博幹事長が自分と同じ“たたき上げ”の菅氏に目をつけたのは無理からぬことといえる。

 むろん、二階氏が菅氏に惚れ込んでいるわけではない。彼の政治活動の眼目はご多分にもれず、利権であり、勢力拡大だ。おそらくは、次期政権でも幹事長の座について党内ににらみをきかせたいのだ。6月17日と7月1日に続き、8月20日にも、二階幹事長は菅官房長官と会食し、急接近ぶりを党内外に見せつけている。
MAG2news 2020年8月28日

2妖怪

 ◇二階幹事長が続投へ 自民役員人事、官房長官が焦点-毎日

 自民党総裁選(14日投開票)で優位に立つ菅義偉官房長官(71)は10日、衆参両院の議院運営委員会理事会に出席し、新首相を選出する臨時国会を16日に召集すると伝えた。
 菅氏は14日選出された場合、15日に党役員人事を行い、16日の首相指名選挙で新首相に就いた後、同日中に組閣に踏み切り、新内閣を発足させる方針だ。役員人事では、菅氏は総裁選出馬を全力で支援した二階俊博幹事長(81)を続投させる意向で、今後、本格調整に入る。菅氏の後任にあたる官房長官が焦点となる。

 二階氏は2016年幹事長に就任。安倍晋三首相の総裁任期延長を主導し、官房長官を務める菅氏との連携を深めてきた。

 安倍首相が辞意を表明した翌日の8月29日、菅氏は二階氏と会談して出馬の意欲を示した。二階氏は二階派をまとめて菅氏支持をいち早く表明し、総裁選で菅氏優勢の流れを作った。そのため、二階派を中心に二階氏の続投を求める声は強まっており、最大派閥の細田派など他の派閥も容認する方向に傾いている。

 菅氏は9月8日の共同記者会見で人事について「適材適所でやるものだ」と述べ、派閥推薦は受け付けない方針を示している。党内では菅氏と気脈を通じ、菅氏と二階氏の会談にも同席した森山裕国対委員長(75)について、官房長官などの要職起用も取り沙汰されている。

 16日に召集される臨時国会は同日午後、衆参両院の本会議で首相指名選挙を行う。会期は18日までの3日間。総裁選には石破茂元幹事長(63)、岸田文雄政調会長(63)も立候補している。
【野間口陽、東久保逸夫、遠藤修平】
毎日新聞 9/10(木)

2妖怪
6月以降、急接近した“二人の妖怪”

 ◇二階氏が幹事長続投に意欲? 「現政権の任期いっぱい補佐」

 自民党の二階俊博幹事長は17日、党内で次期総裁選への関心が高まっていることに関連し、「私はいつまでも幹事長をやっているわけでない」と断りつつ、「現政権が任期いっぱいお務めになることを幹事長として補佐していきたい」と述べ、今秋にも想定される党役員人事での幹事長続投に意欲をにじませた。国会閉会を受け、党本部で記者団に語った。

 次の党役員人事をめぐっては、「ポスト安倍」をうかがう岸田文雄政調会長が幹事長に就くかどうかが焦点となっており、二階氏の発言は波紋を広げそうだ。
産経新聞 2020年6月17日

二階俊博 幹事長死守
二階俊博氏の幹事長死守の思惑が現実味を帯びてきている

        *

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