「祖宗の皇統とは、一系の正当を承くる皇胤(男系子孫を指す言葉)を謂ふ」 →「皇室は、直系・傍系にこだわらず、“数代単位の支系の相補”によって存続」

――旧宮家の皇族復帰阻止は、皇統断絶の企てに他ならない。
 小泉政権で浮上した「女性・女系天皇容認論」は、悠仁親王殿下のご誕生により一旦は立ち消えになった。がしかし、旧民主党が「天皇の政治利用」を見据えて“女性天皇支持”を選挙公約に掲げたり、「女性天皇」キャンペーンで原稿料を稼ぐ自称「皇室の専門家」らの暗躍によって、妄言や流言飛語に過ぎない「女性天皇」論が執拗に蒸し返され、いまだに世論を害しているのが現状である。
(『皇統断絶』中川八洋)
註 )引用要約:筆者

皇室典範第十二条~「女性宮家の禁止」
cf:「道教」→「道鏡」

※動画中で紹介されている本の趣旨は、憲法学者の八木秀次教授による「報告の趣旨とほぼ同じであると思われますので概要をご紹介いたします。

2005年5月31日、第6回会合
八木秀次高崎経済大学助教授(憲法学者)の報告:抜粋引用

「女性は『皇位』の継承者にはなり得ても、『皇統』の継承者たり得ない」
 すなわち、天皇の位には就けるけれどその後、血はつながっていかないということが、皇統すなわち歴代天皇の系図を見ますと確認できます。

(中略)
 今、必要なのは、将来の皇位継承に備えて皇位継承の基盤を充実させることではないかと存じます。すなわち、神武天皇以来の男系の血筋を引いた宮家の数を増やしておくことということであります。このままでは皇族自体が絶滅いたします。

(中略)
 要は優先順位の問題ではないかと思います。男系継承の道をはたして探っているのかということでございます。また、男系継承の道は本当にふさがれているのかということであります。
 「一系の天子」というものは、日本のかけがえのない文化であります。それを維持するのか、変えるのかという選択を迫られております。――

【重要】
2004年、内閣法制局の要請により、保阪正康氏が男系男子で存続している旧・宮家の横並びの家系図を作成し、各宮家に存在する男系男子(永世皇族)の氏名、年齢等を発表。
→中川八洋教授が『皇統断絶』(2005)のp.104、p.152で引用、言及。

       *       *
(参考)
・小泉政権の無知と場当たり的皇統意識が招いた皇位継承をめぐる混乱(2004年)
   ↓
・2005年、17回にわたる有識者会議を経て、同11月24日、皇位継承について女性天皇・女系天皇の容認、長子優先を柱とした報告書が提出される。
   ↓
・2005年5月31日、第6回会合では、大原康男(國學院大學教授)、高橋紘(静岡福祉大学教授)、八木秀次(高崎経済大学教授)、横田耕一(流通経済大学教授)の4人から、また同年6月8日に開かれた第7回会合では、鈴木正幸(神戸大学副学長)、高森明勅(拓殖大学客員教授)、所功(京都産業大学教授)、山折哲雄(国際日本文化研究センター名誉教授)の4人からそれぞれヒアリングが行なわれた。

        *

◆関連記事
<独自>皇位継承で「旧宮家復帰」聴取 2020.4.15
 →政府が有識者ヒアリングで 論点整理への明記が焦点に


☆竹田恒泰、 谷田川 惣(おさむ) (著)
入門 「女性天皇」と「女系天皇」はどう違うのか 今さら人に聞けない天皇・皇室の基礎知識
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■竹田 恒泰(たけだ つねやす)
作家
1975年、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫にあたる。
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。平成18年(2006年)『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』(PHP新書)、『現代語古事記』(学研プラス)など多数の著書を上梓している。また、全国17カ所で開催している「竹田研究会」を含め、年間200本以上の講演を行っている。

■谷田川 惣(やたがわ おさむ)
編集者・著述家
1972年、京都府生まれ。立命館大学法学部法学科卒業。出版社で編集者として活躍する傍ら、著述家として政治、歴史、憲法などについての論評や講演などを行っている。
著書に『皇統は万世一系である』(日新報道)、『皇統断絶計画』(青林堂)などがある。